●ご相談内容
父が亡くなりました。相続人は私と妹の2人です。
父の所有していた不動産について、相続登記をしたいのですが、私と妹は仲が悪く、話し合いがつきそうにありません。
妹が勝手な事をしないように、自分の持分だけ相続登記をしようと思っているのですが、できますか?
●ご回答
□あなたの持分だけの登記をすることはできません
お父様がお亡くなりになって、あなたと妹さんが相続人という事ですね。
あなたの法定相続分2分の1のみの登記申請ができるかどうかですが、登記先例にて否定されています。
共同相続人の1人の持分のみについて、その相続登記をすることはできない(昭和30年10月15日民甲2216)
□あなたと妹さんの法定相続分による相続登記を、あなた1人で申請することはできます
あなたの持分だけを登記申請することはできませんが、あなた2分の1、妹さん2分の1とする法定相続分による相続登記の申請を、あなた1人から申請することはできます。
この場合、妹さんの持分の分を含めて登録免許税を納付する必要があります。
また、登記識別情報は申請人自らが登記名義人となる場合において通知されます(不動産登記法第21条)ので、妹さんの分は通知されません。
後日、妹さんが、何らかの登記を申請する場合に、登記識別情報が存在しないため、余分な手続や費用を負担することも考えられます。
不動産登記法第21条
登記官は、その登記をすることによって申請人自らが登記名義人となる場合において、当該登記を完了したときは、法務省令で定めるところにより、速やかに、当該申請人に対し、当該登記に係る登記識別情報を通知しなければならない。ただし、当該申請人があらかじめ登記識別情報の通知を希望しない旨の申出をした場合その他の法務省令で定める場合は、この限りでない。
取り直す必要はありません。
相続登記の際の遺産分割協議書に添付する印鑑証明書や戸籍謄本等は、有効期限はとくに定められていません。
※不動産登記令第16条・17条・18条の規定により添付する印鑑証明書・資格証明書は作成後3ヶ月以内のものに限られますが、相続登記の際の印鑑証明書・戸籍謄本はこれに該当しません。
不動産登記令
第16条 申請人又はその代表者若しくは代理人は、法務省令で定める場合を除き、申請情報を記載した書面に記名押印しなければならない。
2 前項の場合において、申請情報を記載した書面には、法務省令で定める場合を除き、同項の規定により記名押印した者(委任による代理人を除く。)の印鑑に関する証明書(住所地の市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法第二百五十二条の十九第一項 の指定都市にあっては、市長又は区長とする。次条第一項において同じ。)又は登記官が作成するものに限る。以下同じ。)を添付しなければならない。
3 前項の印鑑に関する証明書は、作成後三月以内のものでなければならない。
4 官庁又は公署が登記の嘱託をする場合における嘱託情報を記載した書面については、第二項の規定は、適用しない。
5 第十二条第一項及び第十四条の規定は、法務省令で定めるところにより申請情報の全部を記録した磁気ディスクを提出する方法により登記を申請する場合について準用する。
第17条 第七条第一項第一号又は第二号に掲げる情報を記載した書面であって、市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成したものは、作成後三月以内のものでなければならない。
2 前項の規定は、官庁又は公署が登記の嘱託をする場合には、適用しない。
第18条 委任による代理人によって登記を申請する場合には、申請人又はその代表者は、法務省令で定める場合を除き、当該代理人の権限を証する情報を記載した書面に記名押印しなければならない。復代理人によって申請する場合における代理人についても、同様とする。
2 前項の場合において、代理人(復代理人を含む。)の権限を証する情報を記載した書面には、法務省令で定める場合を除き、同項の規定により記名押印した者(委任による代理人を除く。)の印鑑に関する証明書を添付しなければならない。
3 前項の印鑑に関する証明書は、作成後三月以内のものでなければならない。
4 第二項の規定は、官庁又は公署が登記の嘱託をする場合には、適用しない。
□相続登記以外の手続については、期限がある場合もあります。
相続登記の手続については、印鑑証明書・戸籍謄本等はとくに期限はありませんが、
金融機関の預貯金の変更・解約手続等については、有効期限の定めがある場合があります。